さて、今回の特集は、「自分で出来る身体のメンテナンス」マッサージ編の続編です。
モデルさんは、20代前半のバレエダンサーMさんです。
①Mさんには、シンスプリントの痛みがありました。
自分でふくらはぎの筋肉を木製の麵棒でほぐして、
スネに皮下出血ができてしまいました。
★シンスプリントとは、
脛骨内側後縁おもに中三分の一~下三分の一(うちくるぶしの上方)にそって痛みを訴えるもの。
ランナーやジャンプの多い体操や新体操に多く、
スポーツ外来では女子に多く、16歳をピークとすると報告されています。
★バレエでもジャンプやステップが多いため、
ダンサーのシンスプリントは意外に多いのです。
シンスプリントに関しては以下のblogを参考にしてください。
↓
(37)「シンスプリントのテーピング」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/20695851.html
(74)「シンスプリント 1 (どのような足のタイプに多いのか)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/36687284.html
(75)「シンスプリント 2 (運動を休むのか休まないのか、患部を冷やすのか温めるのか)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/36849568.html
(76)「シンスプリント 3 (テーピングや足底板のための足部誘導は、回外か回内か)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/36956147.html
(77)「シンスプリント 4 (ふくらはぎのストレッチと、足部のトレーニング)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/37090178.html
(78)「シンスプリント 5 (ダイジェストと症例)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/37263331.html
Mさんのシンスプリントの症状は、
舞台前のレッスンが多くなる時期には痛みが出て、
舞台終了後などはスネに軽い違和感がある程度で、
最近の症状は比較的落ち着いています。
Mさんに、いつもどのようにほぐしているかをやってもらいました。
当院には木製の麵棒はないので、サランラップのシンで代用してもらいました。
(サランラップのシンに広告の紙などを詰めて、
重心軸のトレーニングなどに使っているものです)
②③④⑤いつも、こんな感じでやっているそうです。
「硬い木製の麺棒よりも、サランラップのシンの方が当りがソフトでしょ?」
「そうですね。」
⑥⑦それに棒だとポイントが絞りにくいから、
テニスボールの方がターゲットに的確に当てることが出来るよね。
★脛骨の内側後縁にそっとテニスボールをあてて、
下から上へ滑らせるように軽くこすります。
★3回~5回軽くこすったら、別のターゲットに必ず移動させてください。
テニスボールでのほぐし方は、以下のblogを参考にしてください。
↓
(99)「身体のメンテナンスをしよう!!」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/43527328.html
⑧「筋肉の硬いところや痛みのある個所を、
自分の指でほぐしてもいいんですか?」とMさんに質問されました。
★マッサージの基本的な考え方として、
炎症症状が強い箇所を絶対に刺激しないことを前提として、
筋肉の硬くなった箇所や周囲の組織を軽くほぐすことはやっても大丈夫です。
★そして、同じ個所をやり過ぎないことが重要です。
3回~5回刺激を加えたら、必ず数センチ移動させてください。
★硬くなった筋肉に、
硬い素材でゴリゴリと強い刺激を加えたり、
同じ個所に刺激を加えすぎると、
筋肉が硬くなったり、炎症を惹起することがありますので、
強刺激とやり過ぎ注意です!!
過去にもこんなことがありました。
↓
(241)「色々な足 50 (22歳のバレエダンサー)(やりすぎ注意!!)(腓骨筋腱炎)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/51984264.html
★テニスボールで軽くほぐした後に、
脛骨の内側後縁を指で圧迫しながら足首の底屈と背屈を繰り返すことで、
筋肉や筋膜の滑走不全をある程度回復することが出来ます。
⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯
★足首を底屈するときは、
足部やふくらはぎの後側と前側の筋肉を両方使いながら、
つま先を遠くに伸ばしていきます。
★足首を背屈するときは、
足部やふくらはぎの後側と前側の筋肉を両方使いながら、
かかとを遠くに伸ばしていきます。
★そのとき4本の指で、脛骨内側後縁を圧迫しています。
足首の底屈と背屈を3~5回したら、
4本の指を脛骨内側後縁に沿って、少しずつ上方へずらしていきます。
★自分でやるときは、痛みのない範囲でやってください。
痛みがある場合は、必ず専門の医療関係者に相談してください。
★筋肉や筋膜の滑走不全は、
炎症を繰り返したり、ケガなどの後遺症として起こってしまうことがあります。
こちらはダンサーに多い腓骨筋の滑走不全のblogです。
↓
(242)「腓骨筋の滑走不全が起こると、足はどうなってしまうのか?」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52063586.html
さて、Mちゃんの足の動きを見せてもらいました。
⑰⑱サイドステップをやってもらいました。
右足がブレてしまいます。
⑲⑳㉑㉒Mさんが、
「グリッサードでシンスプリントの違和感がある」と言っていたので
グリッサードをやってもらいました。
右の股関節がうまく使えていないため、
プリエで床が踏めませんでした。
そこで、テニスボールで、
中殿筋と大腿筋膜張筋をほぐしました。
㉓㉔㉕㉖写真でベストショットを撮るのは難しいのですが、
右股関節がうまく使えるようになって、
右足のブレもだいぶ改善しました。
私は、
①ほぐし
②ストレッチ
③筋トレ
④正しい身体の使い方
が、大事であると、いつも患者さんに言っています。
でも、
★身体がゆがんだ状態で筋トレをしても、あまり効果的ではないし、
身体がゆがんだ状態では正しく身体を使うことは難しいです。
そこで「ほぐし」や「ストレッチ」が必要なのです。
しかし、「ストレッチ」をしてみても、左右差が改善しない場合もあります。
身体がゆがんだ状態を、自分で解決するのは限界がありますので、
そういう場合は、是非、専門の医療機関に相談してみてください。
年内になんとか間に合いました( ホッ ^^; )
今年もいけちゃんのblogを愛読くださってありがとうございました!!
皆様も、どうぞ良い年をお迎えくださいませ。
いけちゃん
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