今回の特集は、バレエダンサーのための「肋骨と骨盤の間の筋肉を、自分でほぐしてみよ~!!」です。
体幹の筋力トレーニングをやっているのに、うまく使えない・・・
または、体幹の左右差が気になる・・・という方のために、
硬くなってしまった肋骨と骨盤の間の筋肉を、自分でほぐすためのアプローチ方法をご紹介します。
自分でほぐせる肋骨と骨盤の間にどんな筋肉があるのか!!??を知りたい方は、前半の「ダンサーのためのマニアック解剖学」もお読みください。
解剖学に興味のない方は、前半をスルーして、後半の「肋骨と骨盤の間の筋肉を、自分でほぐしてみよ~!!」に進んでください。
それでは・・・
「ダンサーのためのマニアック解剖学」
の始まり始まり~!!
①(日本人体解剖学より)
今回のテーマで注目してほしいところは、肋骨と骨盤の間の筋肉です。
②(日本人体解剖学より)
骨盤は、左右両側にある寛骨(腸骨・座骨・恥骨)と、中間にある仙骨・尾骨で形成されています。
腸骨上縁を腸骨稜といい、たくさんの筋肉がついていますので、今回はこの腸骨稜にターゲットを絞っています。
③(チャートブック骨格筋の解剖より)
腹直筋は、腹部の前腹筋で、恥骨結合前面、恥骨結節上縁から起始し、
第5~第7肋軟骨、剣状突起、肋剣靱帯に付着しています。
腹直筋の作用は、脊柱(特に腰椎)の屈曲です。
姿勢としては、胸部を下方に引き、下位肋骨を引き下げ、肋骨の突出を抑え、恥骨を引き上げて背中を丸めた状態(骨盤後傾)を作ります。
④(チャートブック骨格筋の解剖より)
外腹斜筋は、腹部の側腹筋で最も外層にあり、第5~第12肋骨の外側から起始し、
腸骨稜の外唇の前半、鼠径靱帯、白線に付着しています。
外腹斜筋の作用は、腹部内圧の増大、脊柱の屈曲、側屈(同側)、回旋(対側)です。
姿勢としては、腹部を平坦にしたり、胸郭下部を引き下げて、体幹と骨盤の適切な姿勢を保つのに有効です。
⑤(チャートブック骨格筋の解剖より)
内腹斜筋は、腹部の側腹筋で中間層にあり、鼠経靱帯、腸骨稜の中間線、胸腰筋膜の深葉から起始し、
第9~第12肋骨、第7~9肋軟骨、腹直筋鞘、白線に付着しています。
内腹斜筋の作用は、腹部内圧の増大、脊柱の屈曲、側屈(同側)、回旋(対側)です。
姿勢としては、腹部を平坦にしたり、胸郭下部を引き下げ、骨盤を後傾させて脊柱の安定性を保ちます。
⑥(チャートブック骨格筋の解剖より)
腹横筋は、腹部の側腹筋で最も深層にあり、第6~第12肋軟骨の内面、胸腰筋膜、腸骨稜の内唇、鼠径靱帯の外側から起始し、
腹直筋鞘に付着しています。
腹横筋の作用は、下位肋骨を下に引き、腹部内圧を高めます。
腹壁を脊柱に引き寄せるときに使われ、脊柱の安定化や重いものを待ちあげる際の脊柱の保護、平らな腹部を生み出すのに重要です。
⑦(チャートブック骨格筋の解剖より)
腰方形筋は、腹部の後腹筋で腹腔の後壁をつくり(背部の筋とは胸腰筋膜によって堺されています)、
前部が下位第3~4腰椎の肋骨突起、後部が腸骨稜、腸腰靱帯から起始し、
前部が第12肋骨の下縁、後部が上位第3~4腰椎の肋骨突起、第12肋骨に付着します。
腰方形筋の作用は、両側が働くと第12肋骨を引き下げ、脊柱を安定化させ、骨盤の高さを保つ働きをします。
また、一側が働くと腰椎を側屈します。
⑧(チャートブック骨格筋の解剖より)
腸腰筋は、下肢の筋で寛骨内筋に分類され、大腰筋、腸骨筋があります。
大腰筋は、第12胸椎~腰椎から起始し、大腿骨の小転子に付着します。
大腰筋の作用は、股関節を屈曲し、外旋の補助をします。
下肢を固定すると、腰椎を前下方へ引きます(骨盤前傾)。
腸骨筋は、腸骨の上縁と内面から起始し、大腿骨の小転子に付着します。
腸骨筋の作用は、股関節を屈曲し、外旋の補助をします。
下肢を固定すると、骨盤を前下方へ引きます(骨盤前傾)。
⑨(チャートブック骨格筋の解剖より)
腰部の筋肉は、浅層から深層まで何層にも重なっています。
また頸部から続いている長い筋肉もあります。
今回のテーマは、「肋骨から骨盤の間の筋肉を、自分でほぐしてみよ~!!」ですので、
自分で触れる範囲の筋肉についてのみ書きたいと思います。
⑩(日本人体解剖学より)
広背筋は、背部の浅背筋で、
胸腰筋膜の浅葉、下位第4~8胸椎・腰椎・仙椎の棘突起、肩甲骨の下角、腸骨稜、下位第3~4肋骨から起始し、
上腕骨の小結節稜に付着しています。
広背筋の作用は、下垂した上腕を内側後方へ引く(肩関節の伸展・内旋・内転)。
上腕が挙げられているときは、引き下げます。
また、体幹を安定させたり、骨盤を引き上げる働きもします。
⑪(チャートブック骨格筋の解剖より)
脊柱起立筋は、骨盤の後面から頸部にわたる長い筋で、腸肋筋、最長筋、棘筋があります。
腸肋筋は、外側にあり腰腸肋筋、胸腸肋筋、頸腸肋筋がありますが、自分で触れる範囲の筋肉という意味で、腰腸肋筋についてのみ書きます。
腰腸肋筋は、背部の深背筋で、腸骨稜、仙骨・下位腰椎の棘突起、胸腰筋膜の内面から起始し、
第12肋骨の下縁、第11~第4肋骨角に付着します。
腰腸肋筋の作用は、脊柱を後方及び側屈、回旋をします。
おまけ
⑫(クリニカルマッサージより)
前鋸筋は、胸部の浅胸筋で、
第1~2肋骨間の腱弓から起始するものは、肩甲骨の上角に付着し、
第2~3肋骨から起始するものは、肩甲骨の内角縁に付着し、
第4~9肋骨から起始するものは、肩甲骨の下角に付着します。
前鋸筋の作用は、肩甲骨を前外方に引き、肩甲骨を下げる働きもします。
肩甲骨を固定すると肋骨を外側上方へ引きます。
さてさて、
「肋骨と骨盤の間の筋肉を、自分でほぐしてみよ~!!」
の始まり始まり~!!
⑬⑭⑮まず初めは、仰向けに寝た状態で、肋骨の下の筋肉を数回ずつほぐしていきます。
⑯次に、肋骨と骨盤の間を数回ずつほぐしていきます。
⑰⑱⑲⑳次は、腸骨稜の上縁、後方や前方も数回ずつほぐしていきます。
★マッサージの基本は、1か所につき3~5回押圧などの刺激を加えたら、必ず指を移動してください。
★同じ個所をやり続けると、効果が出ない場合もあり、更には痛みが出ることがありますので、ご注意ください。
★肋骨周囲のアプローチは、医療資格をお持ちでない方は、絶対に人にやらないでください!!
痩せた女性では、肋軟骨損傷(肋骨骨折)が起こりやすいです!!
必ず自分自身で優しく行うことが重要です!!
寝た状態で慣れたら、立位でもやってみよ~!!
㉑まず最初は、ウエストラインの皮膚を横方向に軽く数回引っ張ります。
㉒次に、もう少し深いところを、指でつまみながら数回ほぐします。
㉓㉔㉕次は、腸骨稜の上縁を側面、前面、後面を数回ずつほぐしていきます。
最初は、上縁を軽く行ってください。
慣れてきたら、腸骨稜に指を滑りこませるように側面、前面、後面を数回ずつほぐしていきます。
㉖㉗㉘次は、肋骨の下の筋肉を数回ずつほぐしていきます。
★マッサージの基本は、1か所につき3~5回押圧などの刺激を加えたら、必ず指を移動してください。
★同じ個所をやり続けると、効果が出ない場合もあり、更には痛みが出ることがありますので、ご注意ください。
★肋骨周囲のアプローチは、医療資格をお持ちでない方は、絶対に人にやらないでください!!
痩せた女性では、肋軟骨損傷(肋骨骨折)が起こりやすいです!!
必ず自分自身で優しく行うことが重要です!!
㉙㉚㉛㉜㉝最後に、肋骨の側面を、優しく下から上へ数回すり上げていきます。
★肋骨周囲のアプローチは、医療資格をお持ちでない方は、絶対に人にやらないでください!!
痩せた女性では、肋軟骨損傷(肋骨骨折)が起こりやすいです!!
必ず自分自身で優しく行うことが重要です!!
こちらの動画も参考にしてください。
スマホの方は、URLをクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=1NGsMYlBs4o
★このアプローチ法は、10代20代の若い方など脇腹などをくすぐったがる人のために、
私が患者さんに施術の中で行っているものを、自分で行えるように改良したものです。
★このアプローチ法は、レッスン前は1~2分、レッスン後は4~5分行ってください。
★身体の左右差を必ずチェックしてください。
例えば、右側は腸骨稜の前面が硬く、左側は腸骨稜の後面が硬い。
あるいは、左側だけ腸骨稜の全体と前鋸筋が硬いなど、それぞれに違うことがあります。
常に身体の状態を、自分自身で把握することが大事です。
体幹の筋力トレーニングをやっているのに、うまく使えない・・・
または、体幹の左右差が気になる・・・という方のために、
硬くなってしまった肋骨と骨盤の間の筋肉を、自分でほぐすためのアプローチ方法をご紹介しました。
皆さんも、是非、やってみてくださいね~!!
いけちゃん
いけちゃんのblog 1 目次 (2012年3月 ~ 2019年11月)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46271926.html
足関節捻挫後のトレーニング(リハビリ)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/49979025.html
いけちゃんのblog 2 目次 (2019年10月 ~ )
https://www.ikejimasekkotsuin.jp/column/892/
新足のトレーニング総集編(三角骨・長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎)(シンスプリント)(有痛性外脛骨)
https://www.ikejimasekkotsuin.jp/column/3000/
新ストレッチ総集編
https://www.ikejimasekkotsuin.jp/column/2986/
新色々な足総集編
https://www.ikejimasekkotsuin.jp/column/2992/
新テーピング総集編
https://www.ikejimasekkotsuin.jp/column/2996/
新足底板と靴の総集編