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偏平足と有痛性外脛骨 2 (偏平足と有痛性外脛骨の関係)

今回は、扁平足と有痛性外脛骨障害との関係について書いていきたいと思います。(★重要個所

外脛骨は、足の舟状骨の内側に存在する過剰骨(副骨)で、10~20%の人にあると報告されています。外脛骨は、8~9歳くらいまでは軟骨でできていますが、10歳くらいから骨に変わってきます。

有痛性外脛骨は、その外脛骨の骨化が始まる10歳から13歳に発症することが多く、発症原因はスポーツに起因するものが多いと報告されています。

しかし、スポーツの種類は多種多様で、走ることやジャンプの多いスポーツに限らず、歩行や立位で行う全ての動きで起こり、外傷を起因とするものや、また日常生活のみで特に誘因となるものが認められないケースも報告されています。

★外脛骨と扁平足の関係については、Veitchが疼痛を有する外脛骨の21人中15人に、Macnicolが57人中29人に扁平足を認めたと報告しています。

★これらの報告から外脛骨と偏平足には関連があることがわかります。しかし、有痛性外脛骨の全員が扁平足ではないこともわかります。

米田らは、高校生女子の無症候性外脛骨と外脛骨のない正常足を比較した結果、内側縦アーチの有意な差は見られなかったと報告しています。

また、有痛性外脛骨の手術をした女性14例19足(平均年齢16.7歳)と、無症候性外脛骨の高校陸上女子選手11例19足(平均年齢15.9歳)を比較した結果、有痛性外脛骨の方が無症候性外脛骨より有意に内側縦アーチが低下していたと報告しています(2003)。

★つまり、保存療法(足底板やリハビリなどの運動療法)では効果がなく、手術に至った有痛性外脛骨には扁平足が関係していて、外脛骨があっても痛みがない無症候性外脛骨には、扁平足との関連は見られないということになります。

★外脛骨は、足の舟状骨の内側に存在する過剰骨(副骨)で、10~20%の人にあると報告されていますが、その存在自体は病的ではなく、痛みが出る人と出ない人の差は、主に扁平足の存在であると考えられます。

では、扁平足のある有痛性外脛骨の中で、手術しなくても痛みが取れていく人と、手術しなければならない人の差はなんなのでしょうか?

ここで前回の「扁平足と有痛性外脛骨 1 」を思い出してください。

山本らは、足のアーチの出現が遅れていたり、重度の関節弛緩性や筋緊張低下のある症例では、装具療法の効果が期待できると言っています。また、歩行開始後にどのように足底筋群の発達が促されたかが足のアーチ形成に重要であるとも言っています。

★これらは、子どもの足部安定のための靴選びや、足底筋群強化のための遊びを通した運動の重要性を示していますし、また足部安定や足底筋群を使えるようにするための足底板療法などの有効性も示しています。

★つまり、動的な足アーチの支持という意味に於いては、例え扁平足があったとしても、子どもの頃から如何に足底筋群を強化してきたかということが重要なポイントになります。

まだ、足のアーチがしっかりできていない子どもたちが、3歳くらいからバレエを始めます。5~6歳頃になると、足のアーチが髙くなってくる子どもと、いつまでたっても足のアーチが出てこない子どもに分かれてきます。

静的な足アーチの支持は、個人の骨の構造や靭帯の柔軟性によって決まっているので、どんなに筋力強化をしても扁平足は治らないかもしれません。

しかし、動的な足アーチの支持は、筋力強化した子どもとしない子どもとでは、全く違う足になっていくのです。

①②③12歳~14歳の偏平足を伴う有痛性外脛骨のバレエ愛好者

彼女たちは、就学前からバレエを始めたことによって、幼児期から足部周囲筋群をトレーニングしてきました。

そのため、無痛性外脛骨である場合も多く、また、成長期に外脛骨の痛みが出たとしても、バレエの発表会と運動会の練習が重なったりしたときにのみ、一時的に炎症が出る場合が多いのです。

扁平足や外脛骨があることで、バレエの技術の習得が他の人よりも時間がかかる場合があるかもしれません。

でも私は、それを「自分の個性」だと思うようにしたらどうだろうか?と考えています。

扁平足がなくても、足の甲や足首が硬い人、腰が硬い人、股関節が硬い人、逆に柔らかすぎてコントロールが難しい人など、人の身体はそれぞれに違いがあります。

幼児期から足部周囲筋群をトレーニングすることで、扁平足や外脛骨にできる限り炎症を出さずに、上手に付き合っていく方法があるということを、皆さんに知ってほしいと思っています。

実は、私も子どもの頃から扁平足でした。歩くと疲れるので遠足が楽しめませんでした。電車に乗ってもすぐに座りたがる子どもでした。他の子どもたちの何倍も足が疲れるからです。

扁平足のせいばかりではありませんが、走るのも苦手でした。運動会の短距離走ではいつもビリから2番でした。だから、運動会も好きではありませんでした。

私は8歳から柔道を始めて足裏に筋肉がついていましたが、ずっと扁平足のままでした。でも、柔道を続けたお蔭で、体力もついたし身体を動かすことの楽しさも知りました。

20代で女子柔道の全日本にも出場しました。歩いたり走ったりすることが苦手でも、できるスポーツがあることは自分の自信にもつながりました。

30代でスポーツをあまりしなくなって、扁平足が悪化しました。そのうちに足裏が痛くてあまり歩けなくなりました。

40歳くらいになってバレエの勉強を始め、色々と足を動かしているうちに、自分の足のアーチが少し回復してきました。それで、バレエ教室へ通うことにしました。

自分でもバレエを始めましたが、扁平足があるせいで正しい動きの習得に時間がかかることがたくさんありました。しかし、扁平足だからできないのか?中年だからできないのか?練習すればできるようになるのか?悩むことはたくさんありました。

50歳から武術や柔術を始めました。バレエよりは足裏を使わないけど、道着を着て裸足で身体を動かすことは、私が子どもの頃やっていたことなので、楽しくてハマってしまいました。

色々ありましたけど、私は治療家になって、自分が扁平足で良かったと思うこともありました。偏平足の患者さんの気持ちが痛いほどよくわかりました。足部の解剖学や運動学、リハビリを勉強し、足底板の職人にもなりました。

私が足に詳しい治療家になれたのも、自分の扁平足のお蔭だと考えるようにしています。

私は、そんな偏平足の皆さんを、心から応援しています。

 

参考文献:
日本足の外科学会雑誌(2001~2012)

 

★ 2012年3月~2019年10月まで、院長日記として「 いけちゃんのblog 」を書いてきました。この度、ホームページをリニューアルしましたので、今後は新しいHPに「 いけちゃんのblog 2 」として書いていきますので、引き続き宜しくお願いいたします。

「 いけちゃんのblog 」は、そのまま残りますので、トレーニングやエクササイズ、テーピングなど参考にしてください。

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